免疫組織データベース~いむーの



CD3ε

2005年5月23日

クローン: CD3 polyclonal

希釈倍率:x80 [北大における倍率。染色法はここ参照。各施設の染色実態に合わせて適宜調節してください]

抗原賦活化法:圧力鍋

(上記は一例に過ぎません。抗体は必ずしも全てのメーカーを比較して選択しているわけではありませんので、必ずしも”推奨メーカー”という意味ではありません。)

推奨陽性コントロール:扁桃、リンパ節、虫垂など

染色パターン:細胞質。ゴルジ野や核周囲に強い陽性像を示す場合がある。まれに細胞膜。

反応性:正常ないし腫瘍性のT細胞

用途: 最も信頼できるT細胞性マーカーの一つ。CD3分子のcytoplasmic ε chainに対する抗体。通常の診断用途で用いられている”CD3″は通常CD3εを指す。悪性リンパ腫診断にはルーチンで用いられる。UCHL-1は比較的特異度が低く、T細胞マーカーとしての用途ではCD3の方が優れる。 T細胞性リンパ腫の診断には最も基本的な抗体である。正常であれば瀘胞間領域に多数、胚中心にも比較的多数存在。T細胞リンパ腫とNK細胞リンパ腫の診断に用いられる。 NKリンパ腫はcytoplasmic CD3陽性、surface CD3陰性である。後者は本抗体を用いて評価するものではない(時に誤解されている)。”surface CD3”という抗体が別にある。

注意:稀にT細胞リンパ腫において発現が見られないときがある。

CD3

執筆日:2005/05/23

執筆者:神戸大学病院病理部病理診断科 伊藤 智雄  tomitoh@med.kobe-u.ac.jp

ページの先頭へ