免疫組織データベース~いむーの



CD79a

2005年6月3日

クローン: JCB117 monoclonal

希釈倍率:x25

抗原賦活化法:圧力鍋

(上記は一例に過ぎません。抗体は必ずしも全てのメーカーを比較して選択しているわけではありませんので、必ずしも”推奨メーカー”という意味ではありません。)

推奨陽性コントロール:扁桃、リンパ節、虫垂など

染色パターン: 細胞質

反応性:正常ないし腫瘍性のB細胞

 

用途: 最も信頼できるB細胞性マーカーの一つ。CD20(L26)よりも守備範囲が広く、precursor cellsや形質細胞にも陽性。 腫瘍ではB細胞に特異性高く染色される。形質細胞腫plasmacytomaのような形質細胞腫瘍plasma cell neoplasmにも半数程度に陽性である。B細胞型リンパ芽球リンパ腫のようにCD20が陽性となり難いものには特に有効である。小細胞型リンパ腫small cell lymphomaもCD20を発現しづらい場合があり、そのような場合も有効である。 nodular lymphocyte predominance Hodgkin lymphomaのL&H cellsに陽性。 Classical HodgkinのRS細胞にも時に陽性。 L26と異なり、びまん性の陽性像はリンパ腫の診断に直結しない。形質細胞は炎症性病変でもびまん性になりうる。 L26よりも数倍高価であるため、北海道大学病院病理部では通常L26を用い、CD79aはルーチンとはしていない。

注意: 平滑筋にも弱く陽性を示す場合がある。(John KC Chan. Tumors in lymphoretiucular system in Flercher et al. Diagnostic histopathology of tumors p1105) T lymphoblastic lymphomaがCD79aを共発現coexpressionすることがある(John KC Chan. Tumors in lymphoretiucular system in Flercher et al. Diagnostic histopathology of tumors p1106)。このような場合にはlineageの決定に遺伝子再構成などを要する場合もある。

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執筆日:2005/06/03

執筆者:神戸大学病院病理部病理診断科 伊藤 智雄  tomitoh@med.kobe-u.ac.jp

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