免疫組織データベース~いむーの



CD43

2005年7月4日

(MT-1)

 

クローン: NCL-MT1 monoclonal (Novocastra)

希釈倍率:x50

抗原賦活化法:圧力鍋

(上記は一例に過ぎません。抗体は必ずしも全てのメーカーを比較して選択しているわけではありませんので、必ずしも”推奨メーカー”という意味ではありません。)

推奨陽性コントロール:扁桃、虫垂など

染色パターン: 細胞膜±Golgi

反応性:正常ではT細胞、組織球、骨髄球系、形質細胞、巨核球、EBV-infected B-cells(John KC Chan. Tumors in lymphoretiucular system in Flercher et  al. Diagnostic histopathology of tumors p1106)

 

用途: 上記の様に特異性は低く、T細胞性マーカーとして使用するべきではない。 主な用途は、B細胞におけるaberrant expressionの検索である。 正常のB細胞はCD43陰性であるが、(特に小型細胞からなる)B細胞性リンパ腫は異常なCD43の発現を時に示す。 特にマントル細胞リンパ腫mantle cell lymphomaでは有名であり、その他MALT lymphomaなどでもみられる。Follicular lymphomaでは稀。 ただし、その評価は難しく、十分に慎重にならなければ成らない。 CD3を必ず同時に染色し、比較することによりその評価を行う。すなわち、CD3の陽性細胞より明らかにCD43陽性細胞が多い場合はB細胞がaberrant expressionを来している可能性がある。

coexpression
ただし、形質細胞の混在、骨髄球系細胞の混在、granulocytic sarcoma、組織球系あるいは単球系の腫瘍などの可能性は常に考えておくべきである
また、terminal ileumにおいては正常でもB細胞によるCD43のcoexpressionがみられると報告されたApplied Immunohistochemistry & Molecular Morphology. 13(2):138-141, June 2005)

 

 

執筆日:2005/06/16 7/4 内容追加

執筆者:神戸大学病院病理部病理診断科 伊藤 智雄  tomitoh@med.kobe-u.ac.jp

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