MDM2
Binh MBらの論文より
クローン: MDM2: IF2 (Zymed), CDK4: DCS-31(Biosource International) いずれも下記論文で用いられているもの。
北大未検討
(上記は一例に過ぎません。抗体は必ずしも全てのメーカーを比較して選択しているわけではありませんので、必ずしも”推奨メーカー”という意味ではありません。)
染色染色パターン:核
染色性および用途 :
Atypical lipomatous tumor/well-differentiated liposarcoma(ALT-WDLPS)およびdedifferentiated liposarcoma(DDLPS)は時に診断が難しく、前者はbenign adopose tissueと、後者はpoorly differentiated sarcomaとの鑑別が問題となる。 両者に置いて、chromosome 12q13-15に存在するMDM2とCDK4 genesはこの両者でamplificationされていることが分かっている。 免疫染色でもこの両者expressionは両腫瘍に感度、特異性が高く、診断に利用できる。 559 soft tissue tumors (44 ALT-WDLPS, 61 DDLPS, 49 benign adipose tumors, and 405 non-ALT-WDLPS/DDLPS sarcomas)の検討では
MDM2 | CDK4 | |
ALT-WDLPS/DDLPS | 97% | 92% |
benign adipose tumors | 5% | 2% |
non-ALT-WDLSP/DDLPS sarcomas | 19% | 6% |
と、感度、特異度とも優れた結果であった。 また、同時に検討されたgene amplificationともよく相関していた。 (Binh MB et.al. MDM2 and CDK4 Immunostainings Are Useful Adjuncts in Diagnosing Well-Differentiated and Dedifferentiated Liposarcoma Subtypes: A Comparative Analysis of 559 Soft Tissue Neoplasms With Genetic Data. Am J Surg Pathol. 2005 Oct;29(10):1340-1347)
注:myxoid/round cell liposarcomaはALT-WDLPS、DDLPSとは生物的に異なるentityであり、基本的に陰性であることに注意。上記の検討ではMDM2, CDK4とも4.2%のみ陽性。
執筆日:2005.11.1
執筆者:神戸大学病院病理部病理診断科 伊藤 智雄 tomitoh@med.kobe-u.ac.jp