免疫組織データベース~いむーの



CD30

2005年6月22日

別名など: Ki-1

メーカー:ロシュ・ダイアグノスティックス(株)(商品コード:518‐111410)

クローン: Ber-H2 (マウスモノクローナル抗体)

希釈倍率: 希釈済み

抗体反応時間: 32分間/37℃

検出試薬: ベンタナ OptiView DAB ユニバーサルキット

抗原賦活化: CC1 64min

推奨陽性コントロール: ホジキンリンパ腫、扁桃腺、リンパ節など

染色パターン: 細胞膜、ゴルジ野、(細胞質)※細胞質への陽性反応は観察対象外とする。

(上記はベンタナ ベンチマーク ULTRAでの条件。抗体は必ずしも全てのメーカーを比較して選択しているわけではありませんので、必ずしも“推奨メーカー”という意味ではありません。)

CD30は、TNFレセプタースーパーファミリーに属する分子量105-120kDの膜結合型糖タンパク質で、ホジキンリンパ腫(Hodgkin lymphoma:HL)症例由来L428細胞株をマウスに免疫し得られたモノクローナル抗体Ki-1が認識する分子として、1982年にH. Steinらによって発見された1)。

CD30はHLにおける単核のホジキン細胞および多核のReed-Sternberg細胞や、未分化大細胞型リンパ腫(Anaplastic large cell lymphoma:ALCL)の腫瘍細胞に強く発現する。

Nodular lymphocyte predominant Hodgkin lymphoma(NLPHL)のL&H cellsは陰性。散在性に陽性細胞がみられることがあるが、それはL&H cellsではなく非腫瘍性のCD30+ lymphoid blastsなので注意2)。

健常人でも活性化B細胞およびT細胞にも発現することが知られており3)、さらにEpstein-Barr ウイルスやヒト T細胞白血病ウイルス(HTLV-1)、C型肝炎ウイルス、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)の感染細胞にもその発現が認められる4) 。

造血器腫瘍の他には、肝細胞腫瘍の胎児性癌や甲状腺癌でも発現することが知られている5)。

用途:

①悪性リンパ腫の診断

CD30はHLやALCLの腫瘍細胞において強く発現する他、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(diffuse large B-cell lymphoma:DLBCL)の一部や末梢性T細胞リンパ腫(peripheral T-cell lymphoma:PTCL)、菌状息肉症(mycosis fungoides:MF)などにも発現が認められる。

悪性リンパ腫の診断において、上記体外診断用医薬品を使用し免疫染色を行った場合にCD30単独で保険点数400点が承認されている。2018年1月現在、ロシュ・ダイアグノスティックス社のCD30(Ber-H2)とベンタナ OptiView DAB ユニバーサルキットの組み合わせでのみ体外診断用医薬品として承認されている。

②悪性リンパ腫における、ブレンツキシマブ ベドチン投与のための患者選別

2014年に承認されたブレンツキシマブ ベドチンを投与する際には、投与前にCD30陽性であることを確認する必要がある。

※他のリンパ腫にも時に陽性。(T-cell lymphoma, B-cell lymphoma, primary effusion lymphomaなど)

※非リンパ系の腫瘍でも陽性となる。embryobal carcinoma, melanoma, mesothelioma, sarcoma等(Cancer. 1990 Oct 15;66(8):1732-7.)

注意:活性化B細胞および活性化T細胞に発現。正常でも少数だが陽性細胞(主にimmunoblasts)が含まれている。これを過ってRS細胞やALCLとしないこと。 HIV, HTLV-1, EBVに感染した細胞あるいは一部のdecidual cellsも陽性となる(Blood. 1995 Jan 1;85(1):1-14. J Pathol. 2000 Apr;190(5):613-8.)


Hodgkin lymphoma(HE)


Hodgkin lymphoma(CD30)


ブレンツキシマブ ベドチンの作用機序(6

文献:

1)Schwab U, et al. Production of a monoclonal antibody specific for Hodgkin and Sternberg-Reed cells of Hodgkin‘s disease and a subset of normal lymphoid cells. Nature. 1982 Sep 2;299(5878):65-7.

2)Anagnostopoulos I, et al. European Task Force on Lymphoma project on lymphocyte predominance Hodgkin disease: histologic and immunohistologic analysis of submitted cases reveals 2 types of Hodgkin disease with a nodular growth pattern and abundant lymphocytes. Blood. 2000 Sep 1;96(5):1889-99.

3)Stein H, et al. Identification of Hodgkin and Sternberg-reed cells as a unique cell type derived from a newly-detected small-cell population. Int J Cancer. 1982 Oct 15;30(4):445-59.

4)Stein H, et al. The expression of the Hodgkin’s disease associated antigen Ki-1 in reactive and neoplastic lymphoid tissue: evidence that Reed-Sternberg cells and histiocytic malignancies are derived from activated lymphoid cells. Blood. 1985 Oct;66(4):848-58.

5)Trovato M, et al. Expression of CD30 ligand and CD30 receptor in normal thyroid and benign and malignant thyroid nodules. Thyroid. 2001 Jul;11(7):621-8.

6)Katz J, et al. Brentuximab Vedotin (SGN-35). Clin Cancer Res. 2011 Oct 15;17(20):6428-36.

執筆日:2005/05/23→6/22改訂→2021/06/28改訂

執筆者:神戸大学病院病理部病理診断科 伊藤 智雄  tomitoh@med.kobe-u.ac.jp

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