PgR
(PR, progesteron receptor、プロゲステロン受容体)
*体外診断医薬品として市販いる抗血清は以下の3種がある。それぞれ推奨されている染色方法がある。PR(またER)陽性であれば術後内分泌療法の適応ありと判断される。
clone PgR636 (DakoCytomation)
clone 1A6 (Ventana Japan)
clone PR88 (協和メディックス)
推奨陽性コントロール:乳管上皮(但し正常乳管上皮では陽性細胞と陰性細胞が混在して認められる)
染色パターン:核
日本乳癌学会研究班(梅村班)による推奨
1. 判定スコア
Score 0 陽性細胞数陰性
Score 1 陽性細胞占有率1/100未満
Score 2 陽性細胞占有率 1/100以上 1/10 未満
Score 3 陽性細胞占有率 1/10以上
2. 判定区分
陰性 Score 0
境界域 Score 1,2
陽性 Score 3
Allred scoreの概要
Total score (TS) = Proportion score (PS)+ Intensity score(IS)
PSは0-5点、ISは0-8点、TSは0,2-13点となる。オリジナルの論文ではTS3以上を陽性としている。最初にPSを判定し、その後優勢となるIS(または平均)を採用。
PS IS
0: 染色性なし 0: 陰性
1: 1%未満 1: 弱染色性
2: 1%-10%未満 2: 中間染色性
3: 10%-1/3未満 3: 強染色性
4: 1/3-2/3未満
5: 2/3以上
(オリジナルの論文はAllred DC et al. Mod Pathol 11: 155-168, 1998)
原発性乳癌以外における使用法の例
1.転移・再発乳癌におけるホルモン治療施行の適応判定
2.原発不明癌における原発巣の推定(陽性は乳癌の絶対的証拠にはならないがERと合わせれば比較的特異性が高い)皮膚汗腺由来の癌でも陽性となるので注意。
*写真:浸潤性乳管癌における陽性染色例。。強染色性~弱染色性あるいは一部に陰性の癌細胞が混在している。Allred scoreでは最も判定に苦慮するパターンだが、PS4+IS2=TS6またはTS7程度と考えられる。
執筆日:2006/2/27
執筆者:東北大学病院病理部 森谷卓也