免疫組織データベース~いむーの



PgR

2006年2月27日

(PR, progesteron receptor、プロゲステロン受容体)

 

*体外診断医薬品として市販いる抗血清は以下の3種がある。それぞれ推奨されている染色方法がある。PR(またER)陽性であれば術後内分泌療法の適応ありと判断される。  

clone PgR636 (DakoCytomation)  

clone 1A6 (Ventana Japan)  

clone PR88 (協和メディックス)

推奨陽性コントロール:乳管上皮(但し正常乳管上皮では陽性細胞と陰性細胞が混在して認められる)

染色パターン:核

 

日本乳癌学会研究班(梅村班)による推奨

1. 判定スコア

Score 0 陽性細胞数陰性

Score 1 陽性細胞占有率1/100未満

Score 2 陽性細胞占有率 1/100以上 1/10 未満  

Score 3 陽性細胞占有率 1/10以上

2. 判定区分

陰性  Score 0

境界域 Score 1,2

陽性  Score 3

 

Allred scoreの概要

Total score (TS) = Proportion score (PS)+ Intensity score(IS)

PSは0-5点、ISは0-8点、TSは0,2-13点となる。オリジナルの論文ではTS3以上を陽性としている。最初にPSを判定し、その後優勢となるIS(または平均)を採用。

PS           IS

0: 染色性なし     0: 陰性

1: 1%未満       1: 弱染色性

2: 1%-10%未満     2: 中間染色性

3: 10%-1/3未満     3: 強染色性

4: 1/3-2/3未満

5: 2/3以上

(オリジナルの論文はAllred DC et al. Mod Pathol 11: 155-168, 1998)

 

原発性乳癌以外における使用法の例

1.転移・再発乳癌におけるホルモン治療施行の適応判定

2.原発不明癌における原発巣の推定(陽性は乳癌の絶対的証拠にはならないがERと合わせれば比較的特異性が高い)皮膚汗腺由来の癌でも陽性となるので注意。

*写真:浸潤性乳管癌における陽性染色例。。強染色性~弱染色性あるいは一部に陰性の癌細胞が混在している。Allred scoreでは最も判定に苦慮するパターンだが、PS4+IS2=TS6またはTS7程度と考えられる。

2PR

 

 

執筆日:2006/2/27

執筆者:東北大学病院病理部 森谷卓也

ページの先頭へ