腎蛍光抗体法の評価方法(糸球体)
2006年3月6日
1. 糸球体
1)分布 切片内のすべての糸球体について観察し、光顕標本と同様に以下のごとく判定する
a. diffuse(びまん性):全体の80%以上(Lupus腎炎では50%以上)の糸球体に示すもの。
b. focal(巣状):全体の80%未満(Lupus腎炎では50%未満)の糸球体に陽性を示すもの。
c. global(全節性):個々の糸球体の2/3係蹄以上陽性の陽性を示すもの。
d. segmental(分節性):個々の糸球体の2/3係蹄未満の陽性を示すもの。
2)沈着様式
一般的には下記のパターンにて判定する。
e. mesangial pattern :メサンギウム領域(軸性、傍メサンギウム領域を含む)に沈着を示すもの。
f. peripheral (GBM) pattern : 糸球体毛細管係蹄に沈着を示すもの。
g. その他のpattern : 染色によっては尿細管基底膜、血管壁などに沈着を示すもの。
h. granular pattern : 粗密な顆粒状の沈着を示すもの。
i. linear pattern : GBMを主体に線状沈着を示すもの。
3)沈着程度
陽性度表現は -、±、+、++、+++の5段階とする。±の表現はなるべく避ける.
執筆日:2006/3/6
執筆者: KKR札幌医療センター/幌南病院病理科 深澤雄一郎