TTF-1
2006年3月6日
(Thyroid transcription factor-1)
クローン:8G7G3/1
メーカー:DAKO
希釈倍率:x200 (北大ではx50で使用する場合もある)
抗原賦活化:Pressure cooker
染色性:核
陽性コントロール:甲状腺濾胞上皮、肺(呼吸上皮)
(上記は一例に過ぎません。抗体は必ずしも全てのメーカーを比較して選択しているわけではありませんので、必ずしも”推奨メーカー”という意味ではありません。)
甲状腺、及び末梢肺において上皮細胞の核に出現する核転写蛋白。
用途:
●甲状腺
瀘胞上皮を由来とする腫瘍(乳頭癌papillary carcinoma、濾胞癌follicular carcinomaなど)。髄様癌medullary carcinomaにも高率に陽性。(Hirsch at.alなど)
●肺
肺原発の腫瘍であることの確認。悪性腫瘍での陽性率は以下のとおり
腺癌(80%程度)
小細胞癌(90%程度)
カルチノイド(50%以上)
大細胞性神経内分泌細胞癌(約50%)
大細胞癌では低率(10%以下)
肺扁平上皮癌では通常陰性(10%以下には陽性Pelosi et.al)。
中皮腫では陰性であるため、肺腺癌との鑑別に有用。
ただし、特異度は完全ではない。特に小細胞癌は肺原発以外のもの(前立腺、膀胱、食道、子宮頚部、胃、大腸、外陰部)にも陽性が報告されているため、小細胞癌の発生部位の鑑別には有用ではない。
執筆日:2006/3/6
執筆者:北海道大学病院病理部 久保田佳奈子