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B細胞リンパ腫の診断に有用なaberrant expression

2006年3月8日

リンパ腫か否か判断に苦しむ場合、aberrant phenotypeを見出すことが有用な場合がある。下記のものが知られるが、いずれも陰性所見は悪性リンパ腫を否定するものではないことに注意してください。

Ig light chain restriction (κ: λratio >10:1 or >1:10) flowcytometryのほうが信頼性が高い。を参照
B細胞におけるCD5の発現 mantle cell lymphoma, small cell lymphoma, cycline Dを示唆。ここを参照
B細胞におけるcyclin D1の発現 mantle cell lymphomaを示唆する。ここを参照
B細胞におけるCD43(MT1)の発現 リンパ腫であることを示唆。特にmantle cell lymphomaで頻度が高い。その他、MALT lymphomaなど小型のリンパ腫で比較的診断的価値がある。ここを参照。
pan-B markerの欠如 B-lymphoblastic lymphomaなど
Bcl-2 positive in follicle centers 瀘胞性リンパ腫と反応性瀘胞の鑑別。瀘胞リンパ腫以外もbcl-2は陽性で、subtypeの決定には役立たないことに注意。ここを参照。
散在する大型細胞における一様な強いL26陽性像 反応性のimmunoblastsではL26の陽性像はheteroであり、強陽性~弱陽性~膜の一部のみ陽性~陰性など様々な陽性強度が混在。一方、鑑別となるT-cell rich B-cell lymphomaなどでは一様な強陽性像を示す。

 

執筆日:2006/3/8

執筆者:神戸大学病院病理部病理診断科 伊藤 智雄

 

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