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真皮の核異型性のある紡錘形細胞腫瘍の鑑別

2006年3月14日

真皮に核異型性のある紡錘形細胞腫瘍がみられた場合、まず、Spindle cell squamous cell carcinoma、Spindle cell malignant melanoma、Atypical fibroxanthoma(AFX)が鑑別疾患となる。その他、Basal cell carcinoma(BCC), Leiomyosarcoma(LS)、Angiosarcomaなどの可能性も検討する必要がある。このような例の多くは高齢者の顔面の病変である。

被覆表皮や周囲の表皮に注目して、Spindle cell squamous cell carcinomaでは日光角化症などの上皮内癌の所見を、Spindle cell malignant melanomaでは上皮内黒色腫の所見があれば診断は困難ではないが、しばしば、潰瘍化をともなって表皮内病変が確認できないことがあり、その場合は免疫組織化学染色での検討が必要となる。下に鑑別表を示す。

Spindle cell squamous cell carcinomaでは未分化な腫瘍細胞が多いため、しばしばAE1/AE3などのpan-cytokeratinが陰性のことがあり、CK5/6など複数のサイトケラチンを追加して検討する必要がある。

  Malignant melanoma Spindel cell Squamous cell carcinoma Atypical fibroxanthoma Leiomyosarcoma Angiosarcoma
S-100 +
AE1/AE3 variable
CD68 +/- + +/-
α-SMA +/- +
CD31 +

 

参考文献 Practical Immunopathology of the Skin by Bruce R. Smoller. Humana Press (2002), p187

 

執筆日:2006/3/14

執筆者:札幌皮膚病理研究所 福本隆也 木村鉄宣

 

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