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Mycosis fungoides(菌状息肉症)の免疫組織化学染色

2006年3月14日

Mycosis fungoides(菌状息肉症)は、基本的にはHE染色で診断するが、免疫組織化学染色も参考になることがある。

2006年のWHO Blue book(skin tumour)1には、WHO/EORTC Classification of cutaneous lymphomaが記載され、MFのImmunophenotypeは、以下の様に書かれている。

・ 典型病変ではCD2+、CD3+、CD4+、CD5+、CD45RO+、CD8- TCR-beta+、CD30-である。

・ CD7、CD2、CD5の発現の消失(loss)が生じることがあり、表皮内の脳回転様(cerebriform)の核をもつリンパ球で、CD7、CD2、CD5やCD4の消失があれば診断の補助になる。

・ 病気の進行によって、とくにtransformationがあるときは、CD4陽性の表皮向性のある細胞に細胞障害性の表現形(TIA-1、Granzyme B)が出現することがある。

・ Transformationが起こると芽球様の大型細胞が出現し、CD30を発現することがある。

・ MFの少数例では腫瘍細胞はCD8陽性のcytotoxic phenotypeを持つが、臨床的なふるまいは通常のCD4陽性のMFと同じである。

MFでは、表皮内や真皮のリンパ球様単核球の多くは、CD3、CD4陽性で、CD7が陰性になることが多く、診断の補助にしているが、この所見だけでMFの診断を確定することはできない。(CD7の項も参照)

MF

Mycosis fungoides扁平浸潤期

MF2

follicular mucinosisを伴ったMycosis fungoides

CD30

Mycosis fungoidesは、腫瘍期では、反応性のTリンパ球や樹状細胞は減少し、約25%がCD30陽性あるいは陰性の大細胞性T細胞性リンパ腫へtransformationする。Large cell transformationは、病変内に25%以上の芽球がみられることと定義されている1

 

1. Pathology and Genetics of Skin Tumours. (WHO Classification of Tumours) LeBoit, Philip E. ; Burg, G. ; Weedon, D. ; Sarasin, A. IARC press, 2006, p169

 

執筆日:2006/3/14

執筆者:札幌皮膚病理研究所 福本隆也 木村鉄宣

 

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