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卵巣粘液性腫瘍の診断早見表(WHO) Diagnosis of ovarian mucinous tumors

2006年9月26日
Mucinous adenocarcinoma 明らかな間質浸潤または、(明らかな間質浸潤がなくても)細胞異型を伴い、間質の介在がほとんどない複雑な乳頭状構築あるいは腺管が密な成分(back-to-back)が、少なくとも10mm2以上、かつ縦横それぞれ3mm以上存在する。 ※浸潤巣が全て10mm2未満であれば、microinvasiveと表記する。予後はよい。
Mucinous borderline tumour 良性のものを超える細胞増生を示すが、間質浸潤を欠く。 Intestinal type: 嚢胞を裏打ちする細胞(核)が概ね3層以下の重層化を示し、内腔に非浸潤性の細い乳頭状構築を形成する。核は軽度腫大し、核分裂像はcystadenomaよりも多い。 ※ 細胞異型が高度で4層以上の重層化を示し、充実性、乳頭状、篩状パターンを示す時はborderline with intraepithelial carcinomaとすべきとされている。

Endocervical type: intestinal typeのfilliformと異なり、serous borderlineと似たような幅広い乳頭状構造を示す。胞体は粘液性か好酸性。好酸性の場合は、剥離した細胞集団がみられる。細胞異型は軽度。典型的には炎症細胞浸潤がめだつ。

Mucinous cystadenoma 細胞の重層化はほとんどない。核は基底側に位置し、異型はあっても軽度。

 

執筆日:2006/9/26

執筆者:北海道大学病院病理部 山田洋介、伊藤智雄

 

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