Mammaglobin
クローン: 304-1A5 monoclonal (DAKO)
希釈倍率: ×100
抗原賦活化法:圧力鍋
(上記は一例に過ぎません。抗体は必ずしも全てのメーカーを比較して選択しているわけではありませんので、必ずしも”推奨メーカー”という意味ではありません。)
推奨陽性コントロール:乳腺、皮膚
染色パターン: 細胞質および細胞膜
染色性および用途 近年登場した抗体で、抗乳癌抗体としての用途が期待される。 正常では乳管上皮と正常皮膚のアポクリン腺やエクリン腺の上皮細胞に陽性である。 用途としては、原発不明癌において乳癌であることを推測する目的、あるいは乳癌におけるsentinel lymph nodeでの検索等が考えられる。
DAKOの資料によればRT-PCR法では女性生殖系由来の一連の悪性および正常組織でも報告されているとされる。免疫染色ではMammaglobin の発現は乳腺組織、皮膚に限局し、他のほとんどの正常組織において検出されないとされる。
Bhargavaらのtissue blockを用いた多数例の検討では
乳癌 | |
mammaglobin | 67/121 (55.4%) |
GCDFP- 15 | 28/121(23.1%) |
と、GCDFP15より感度が高い。
乳癌以外の癌では44/544 (8.1%) に陽性であったという。 Bhargava R, Beriwal S, Dabbs DJ. Mammaglobin vs GCDFP-15: An Immunohistologic Validation Survey for Sensitivity and Specificity. Am J Clin Pathol. 2007 Jan;127(1):1-11.
まだ報告が乏しいが、特異性に注意しながら用いれば、有用と考えられる。
執筆日:2006/12/15
執筆者:神戸大学病院病理部病理診断科 伊藤 智雄