免疫組織データベース~いむーの



CD10

2006年11月18日

(J5, CALLA, VIL-A1, 56C6)

 

クローン: 56C6  monoclonal (Ventana)

抗原賦活化法:圧力鍋 Ventana amplification併用

(上記は一例に過ぎません。抗体は必ずしも全てのメーカーを比較して選択しているわけではありませんので、必ずしも”推奨メーカー”という意味ではありません。)

推奨陽性コントロール:扁桃、虫垂などのリンパ瀘胞胚中心。腸管上皮細胞なども陽性。

染色パターン: 細胞膜

 

染色性および用途 CD10(Gene=3q25,AA749,糖鎖を含み90-110kDaと分子量には幅がある)はEnkephalin、Substance Pなどの炎症物質を分解する亜鉛結合酵素(EC3.4.24.11)であり Neutral endopeptidase(NEP)、Neprilysin、Enkephalinaseとも呼ばれ、 リンパ濾胞内のB細胞、好中球のほか、腎尿細管、気管支、小腸粘膜等の上皮細胞表面にも発現するII型膜貫通蛋白。(協同病理による補記)

1)胚中心のB細胞; precursor lymphoid cells; 顆粒球(John KC Chan. Tumors in lymphoretiucular system in Flercher et  al. Diagnostic histopathology of tumors p1106)

2)一部の上皮細胞

3)乳腺間質の線維芽細胞

4)内膜間質:上皮細胞のはっきりしないendometriosisの確定にも有用である。

5)mesonephric lesions in the female genital tract

腫瘍

瀘胞リンパ腫(follicular lymphoma):約80%に陽性。特に瀘胞間領域のびまん性陽性像は診断的価値が高い。

バーキットリンパ腫Burkitt lymphoma

Bリンパ芽球性リンパ腫/白血病 B-lymphoblastic lymphoma

稀なT細胞リンパ腫

びまん性大細胞型リンパ腫の一部DLBLの細分類を参照)

さまざまな非血液性腫瘍 特にendometrial stromal sarcomarenal cell carcinoma(Chu P, Arber DA. Paraffin-section detection of CD10 in 505 nonhematopoietic neoplasms. Frequent expression in renal cell carcinoma and endometrial stromal sarcoma.Am J Clin Pathol. 2000 Mar;113(3):374-82

内膜間質に陽性であることを利用して、内膜癌の浸潤の有無に有用とも思われるが、実際には筋層浸潤であるのかadenomyosisのinvolvementであるのかの区別にはCD10は有用でないと報告された(筋層浸潤においても癌胞巣周囲にCD10陽性細胞がとりまくため) (Srodon M, Klein WM, Kurman RJ. CD10 imunostaining does not distinguish endometrial carcinoma invading myometrium from carcinoma involving adenomyosis.Am J Surg Pathol. 2003 Jun;27(6):786-9)

 

(以下、協同病理による補記)

小腸では図のように上皮刷子縁に明瞭に反応するが、下表に示すように抗ムチン抗体と併用して胃癌の胃型/腸型の分類にも利用される。 なお、我々はclone:56C6を400倍希釈・4℃オーバーナイトで使用し、ホルマリン固定組織標本では前処理としてpH6.0クエン酸緩衝液に浸漬し、オートクレーブで121℃,15分の熱処理を行っている。

cd10_ileum
MUC5AC,HGM or MUC6,HIK1083( - )            ( + )
MUC2 or CD10 ( – ) non-phenotype (completely) gastric type
MUC2 or CD10 ( + ) (completely) intestinal type mixed phenotype (Gastrointestinal type)
CD10 ileum X400 (参考文献:「胃型分化型早期胃癌の分子生物学的特長」 九嶋亮治他:「胃と腸」;38(5),707-721,医学書院,2003)

(ここまで協同病理)

 

CD10

胚中心の陽性像(北大 2006.11.28差し替え)

協同病理のCD10への項へのリンク

 

 

執筆日:2005/06/16→2006/11/28 協同病理より補記をいただきました

執筆者:神戸大学病院病理部病理診断科 伊藤 智雄  tomitoh@med.kobe-u.ac.jp (株)協同病理http://www.kbkb.jp/index.html

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