乳腺など脂肪組織の凍結標本作成の工夫
2007年1月12日
~主に東北地方で主流の方法(病理医メーリングリストPNETから)~
●家庭用洗剤5ml + Tissue-tec OCT 60ml + 蒸留水 40ml
あるいは
●家庭用洗剤5ml + Tissue-mount 70ml + 蒸留水 30ml
洗剤はママレモン、チャーミーグリーンなどの台所用。(割合が異なるのは粘性の差のため)
で包埋、凍結、という方法が東北地方では一般的です。
凍結する前に1~2分ほどなじませるのもコツとのこと。上記溶液は常温保存可能です。
~北大での方法~
ユーアイ化成の界面活性剤含有コンパウンドを使用。
脂肪の多い組織の場合、組織をコンパウンドに一度漬け「もみもみ」し1分程度浸透させてから凍結。
界面活性剤含有コンパウンドに浸し数回もみもみ
↓
庫内冷却板で凍結
↓
場合によっては冷却スプレーを使用
↓
これでもだめならブロックを超低温冷凍庫内に約1分
↓
コツ
★過冷却によるコンパウンド硬化を避け、適度な軟らかさを与えること
★替刃は常に新しく
★超低温冷凍庫を利用することで劇的に美しく
使用アイテム
◆サクラ クライオ3DM
◆ユーアイ化成ホワイトティシューコート
◆フェザーハイプロファイル
注)上記方法はあくまでも脂肪組織を美しく切るためだけの方法です。
執筆日:2007/1/12改訂
執筆者:北海道大学病院病理部 森谷 純 j-moriya@med.hokudai.ac.jp、伊藤 智雄 itoh@spatho.med.hokudai.ac.jp → tomitoh@med.kobe-u.ac.jp