proGRP
2007年6月13日
(ガストリン放出ペプチド前駆体,progastrin-releasing peptide)
北大未検討
proGRPは臨床では肺の小細胞癌small cell carcinomaの信頼性あるserum markerとして利用されている。NSEなどよりも早期に上昇することが知られている。 腎で代謝されるため、腎不全での偽陽性に注意しなければならない。
診断病理の世界では、免疫染色に用いる抗体としては一般的なものではない。有用性は未知数。
【参考】なお、gastrin-releasing peptide: GRPを用いたneuroendocrine tumorにおける検討では、
lung carcinoids | 12/27 |
thymic carcinoids | 0/4 |
gastric neuroendocrine tumours | 0/4 |
duodenal well differentiated neuroendocrine tumour | 0/1 |
well differentiated neuroendocrine carcinomas of the small bowe | 0/26 |
と、その発現は肺のcarcinoidに限られ、転移先で原発巣の推察に有用との報告がなされている。 ※GRPは血中では不安定で、臨床での測定には適していない。
(以上の【参考】は京都大学大学院医学研究科病理診断学、橘充弘先生から情報提供いただいた論文を元に記載しました。感謝申し上げます)
内容充実のため、染色経験のある先生からのご意見・情報提供をお待ちしております→itoh@spatho.med.hokudai.ac.jp → tomitoh@med.kobe-u.ac.jp
執筆日:2007/06/13
執筆者:神戸大学病院病理部病理診断科 伊藤 智雄 tomitoh@med.kobe-u.ac.jp