卵巣漿液性腫瘍の診断早見表(WHO) Diagnosis of ovarian serous tumors
| Serous adenocarcinoma | (microinvasionを超える)浸潤。 10%以下の他タイプの型を含むことがあるが予後には関係はない。variants: ・Serous psammocarcinoma：多量のpsammoma bodiesの形成を示し、細胞異型は比較的乏しい。少なくとも75%以上の上皮巣がpsammomabodyの形成を示す.
・Surface papillary adenocarcinoma(※WHOにはこの進展形式の記載はあるが、名称そのものは載っていない)：稀に卵巣表面に限局して増生 |
| Serous borderline tumor with microinvasion | １カ所、あるいはそれ以上の浸潤巣（どれも10mm2を超えない） |
| Serous borderline tumor | 良性のものを超える異型がみられるが、破壊性の浸潤を示さないもの。 hallmarks: ＞乳頭状、微小乳頭状
＞”detached”ないし”floating”を示す軽度～中等度の異型細胞の増生。 Types ●Typical type(90%) ●Micropapillary type(5-10%) variants ●Serous surface borderline tumor ●Serous borderline adenofibroma and cystadenofibroma ※腹膜インプラントPeritoneal implants ●Non-invasive: Interlobular fibrous septaへの進展。underlying tissueへの浸潤無し。10y survivalには影響を及ぼさない desmoplastic 腹膜表面に漆喰状の増生 豊富で(>50%)境界明瞭なdense fibroblastic or granulation tissueの中に腫瘍のnests, glandsあるいはpapillaeが存在。 epithelial submesothelial spaceを満たす。 外方性の、hierarchial branching papillae。 主に上皮細胞から構成される。 間質反応はない 多数のpsammoma bodies。 ●Invasive: 予後は不良となり50%以上が再発、10y survivalは35%。 不規則な腺管がomentumなどの組織に浸潤 looseあるいはdenseな間質反応。炎症反応は乏しい。 一般的には、上皮優位。 核の正常はlow gradeのserous adenocarcinomaに類似。 不規則な境界。 Aneuploidy |
| Benign serous tumors | 卵管、卵巣表層上皮に類似した上皮からなる良性腫瘍 |
いずれもWHO blue bookより
執筆日：2007/8/29
執筆者：神戸大学病院病理部病理診断科 伊藤 智雄
