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免疫二重染色の原理

2008年1月19日

二重染色double staining あるいは三重染色triple stainingでは、同一切片上で複数の抗原を有する細胞の位置的相互関係を明確に把握できる。

二重染色は、二つの異なった抗原(X.Y)の局在を同一切片上で同時に証明できる技法。

 

酵素抗体法の二重染色原法

酵素抗体法の二重染色原法は酵素抗体法間接法を用い、DABと4-choro-1-naphtholの発色系を利用している。この方法では、抗体Xを反応→発色させた後に1~2時間の洗浄工程を経て、抗体Yの反応となる。洗浄工程では、抗体Xと標識二次抗体が抗原部位から解離しDAB反応産物のみが抗原局部に沈着した状態になる。しかし4-choro-1-naphtholの反応産物は封入後一週間以上経過すると退色してしまう。また、封入剤は水溶性封入剤を使用する必要がある。

改良法および変法

原法から様々な改良や変法がある。

■α-naphthol pyronin法

■DAB-cobalt法  等・・・。

しかし、これらの方法では、抗体Xと抗体Yの反応を別々に行い、間に反応停止(洗浄等)なのの工程が入る。時間がかかり、手間がかかる・・・それが、重染色が敬遠されてきた大きな原因と思われる。

「免疫アルカリフォスファターゼ法」と「免疫動物の異なる一次抗体を用いる方法」を利用する方法
この方法の特徴は、抗体Xの反応と抗体Yの反応を一度に行うことにある。抗体Xと抗体Yの免疫動物種を異なるものを選び、一次抗体に抗体Xと抗体Yをカクテルしたものを使用する。そして標識二次抗体も抗体Xと抗体Yのそれぞれの免疫動物種に反応するものをカクテルしたキットを使用する。キット:Double Stain Polymer Detectin Kit #2 (BIOCARE 協和メディックス取扱い)標識二次抗体には、HRP・ALPが標識されており、同時に反応をさせ、発色はDAB・VulcanFastRedで発色させればよい。

immunedouble1

image1 κ、λの免疫二重染色

 

 

執筆日:2008.01.19

執筆者:神戸大学病院病理部  柳田絵美衣、伊藤 智雄

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