Glucagon
クローン:rabbit polyclonal
メーカー:DAKO(A0565)
希釈倍率:x1000 (4℃ overnightの場合)
抗原賦活化法:なし
(上記は神大病理部での条件(用手法)。抗体は必ずしも全てのメーカーを比較して選択しているわけではありませんので、必ずしも”推奨メーカー”という意味ではありません。)
推奨陽性コントロール: 膵(ラ氏島)
染色パターン:細胞質
性状:膵ランゲルハンス島α細胞(A細胞)から分泌されるホルモンで、解糖系を抑制するとともに糖新生に働き、血糖値を上昇させる。
診断病理での用途:膵内分泌腫瘍にて、glucagonomaの診断に用いられる。glucagon産生による臨床症状としては壊死性遊走性紅斑(neorolytic migratory erthema)、胃炎、糖尿病、体重減少、口内炎、貧血などがある。壊死性遊走性紅斑は診断の契機になりうるので重要である(WHO Tumours of endocrine organs p187に写真がある)。 なお、glocagonomaの診断には臨床症状が必要であり、免疫染色で陽性を示したからと言ってglucagonomaとはせず、この場合はnon-functioning pancreatic endocrine tumorとする。 glucagonomaはglucagon以外にもproglucagon由来ペプチド(glycentin, glucagon-like peptide 1&2)にも陽性を示すことがあり、またPP陽性細胞も散在する。
(参考文献 WHO Tumorus of endocrine organs)
(染色(用手法):柳田絵美衣)
執筆日:2009/01/28
執筆者:神戸大学医学部附属病院病理診断科 伊藤智雄