免疫組織データベース~いむーの



Glucagon

2009年1月28日

クローン:rabbit polyclonal

メーカー:DAKO(A0565)

希釈倍率:x1000 (4℃ overnightの場合)

抗原賦活化法:なし

(上記は神大病理部での条件(用手法)。抗体は必ずしも全てのメーカーを比較して選択しているわけではありませんので、必ずしも”推奨メーカー”という意味ではありません。)

推奨陽性コントロール: 膵(ラ氏島)

染色パターン:細胞質

 

性状:膵ランゲルハンス島α細胞(A細胞)から分泌されるホルモンで、解糖系を抑制するとともに糖新生に働き、血糖値を上昇させる。

診断病理での用途:膵内分泌腫瘍にて、glucagonomaの診断に用いられる。glucagon産生による臨床症状としては壊死性遊走性紅斑(neorolytic migratory erthema)、胃炎、糖尿病、体重減少、口内炎、貧血などがある。壊死性遊走性紅斑は診断の契機になりうるので重要である(WHO Tumours of endocrine organs p187に写真がある)。 なお、glocagonomaの診断には臨床症状が必要であり、免疫染色で陽性を示したからと言ってglucagonomaとはせず、この場合はnon-functioning pancreatic endocrine tumorとする。 glucagonomaはglucagon以外にもproglucagon由来ペプチド(glycentin, glucagon-like peptide 1&2)にも陽性を示すことがあり、またPP陽性細胞も散在する。
(参考文献 WHO Tumorus of endocrine organs)

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(染色(用手法):柳田絵美衣)

 

 

執筆日:2009/01/28

執筆者:神戸大学医学部附属病院病理診断科 伊藤智雄

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