免疫組織データベース~いむーの



Hep Par 1

2009年2月13日

 (hepatocyte)

 

クローン:OCH1E5 

メーカー:DAKO

希釈倍率:x50 (Ventanaの場合)

原賦活化法:熱処理(Ventana Benchmark熱処理)

(上記は神大病理部での条件(用手法)。抗体は必ずしも全てのメーカーを比較して選択しているわけではありませんので、必ずしも”推奨メーカー”という意味ではありません)

 

Hep Par 1(Hepatocyte Paraffin 1)は肝細胞のマーカーとして利用できる。何を認識しているかは現在のところはっきりしていないが、肝細胞の胞体にある、おそらくミトコンドリアのcompnentであろうと考えられている。 細胞質に粗大な顆粒状の陽性を示す。HCCであることの確認などに用いられる。特異度には注意を要し、胃癌、大腸がんなど多彩な腫瘍で陽性となることに留意すべきである。腫瘍の染色性に関してはFanらによる676例のtissue microarrayを用いた報告があり、腺癌を中心として多数の腫瘍において陽性例が確認されている(Hep par 1 antibody stain for the differential diagnosis of hepatocellular carcinoma: 676 tumors tested using tissue microarrays and conventional tissue sections.Fan Z, van de Rijn M, Montgomery K, Rouse RV. Mod Pathol. 2003 Feb;16(2):137-44)

消化管において、腸上皮化生部分に陽性となり、sensitiveなマーカーとして利用できるHepatocyte antigen as a marker of intestinal metaplasia.Chu PG, Jiang Z, Weiss LM. Am J Surg Pathol. 2003 Jul;27(7):952-9

※ビオチン系の発色を行っている場合は内因性ビオチンに注意! 肝細胞は特に内因性ビオチンが顕著。どうしても問題となる場合はブロッキングを行うか、ポリマー法を用いるなどの対処も有効。 →内因性ビオチンに関してはこちら参照

 

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染色:神戸大学病院病理部 柳田絵美衣

 

 

執筆日:2009.2.13

執筆者:神戸大学病院病理部  伊藤 智雄

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