生体内色素:シュモール反応
2009年4月21日
生体内色素には、リポフスチン、メラニン、ヘモジデリン、胆汁色素などがある。
シュモール反応はその中でも【メラニン】の証明に使用されることが多い。
メラニンの証明にはフォンタナ・マッソン法が有名であるが、このシュモール法は試薬の調整も簡便で、感度も良く、もっとオーダーされても良いのではないかと私見ながら思っている。
原理は、フェリシアン化カリウムと塩化第二鉄を同時に反応させると、メラニンの還元作用で『フェリシアン化カリウム』が『フェロシアン化カリウム』になる。このフェロシアン化カリウムが、塩化第二鉄と反応し濃青色(ベルリン青)の沈殿を生じることに由来する。
染色法
1. 脱パラ・水洗
2. 蒸留水水洗
3. フェリシアン化カリウム・塩化第二鉄溶液 5分
4. 蒸留水水洗
5. ケルンエヒテロート液 5分
6. 水洗
7. 脱水・透徹・封入
【使用液】
フェリシアン化カリウム・塩化第二鉄溶液
①1%フェリシアン化カリウム液
②1%塩化第二鉄液
上記の2液を①:②=1:3の割合で混和し使用液とする。
フォンタナマッソンでは矢印のように茶褐色の細胞内顆粒として見られる。シュモール反応ではメラニンの部分が濃青色に染まり一目瞭然で格段に見易くなっている。
執筆日:2009.04.21
執筆者:神戸大学病院病理部 山田 寛