免疫組織データベース~いむーの



DOG1

2009年6月1日

(神戸大学未検討)

推奨陽性コントロール: GIST

染色パターン:細胞質+細胞膜

 

Gatrointestinal stromal tumor (GIST)の診断に有効。

GIST の診断には言うまでもなくc-kit(CD117)の免疫染色が有効であるが、5%程度は陰性である(PDGFRA gene mutation(+)例に多い)。さらに、tyrosine kinase inhibitorsを用いた治療でその発現をlossする場合もある。

DOG1(Discovered on GIST)は機能不明であるが、GISTにおいて過剰発現していることが知られ、c-kitやCD34を上回る陽性率であることが近年報告された。

Westらの報告( Am J Pathol. 2004 Jul;165(1):107-13)によれば、GIST139例中、136例に陽性(97.8%)。7例のPDGFRA mutation陽性例は60%強がc-kit陰性であったが、その全例がDOG1陽性であったという。

他 の腫瘍ではsynovial sarcoma(1/20: 5%), leiomyosarcoma(1/40: 2.5%), fibrosarcoma(1/4:25%), Ewing/PNET(1/9:11%) のみで、鑑別となるfibromatosisやschwannomaなどではすべて陰性であったという。

マウスモノクローナル抗体DOG1.1を用いた検討もあり、同様の高い有用性が報告されているAm J Surg Pathol. 2009 Mar;33(3):437-46

 

 

執筆日:2009.6.1

執筆者:神戸大学病院病理部 伊藤 智雄

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