免疫組織データベース~いむーの



Trypsin

2012年12月6日

Rabbit polyclonal antibody

メーカー:Meridian (K50900R)

希釈倍率:1:500

抗原賦活化:処理なし

推奨陽性コントロール:膵(腺房)

染色パターン:細胞質

(上記は神戸大病理部での条件(Leica BondMax)。抗体は必ずしも全てのメーカーを比較して選択しているわけではありませんので、必ずしも“推奨メーカー”という意味ではありません。)

 

トリプシンは膵の蛋白質消化酵素で、蛋白質のペプチド結合を分解する。エンドペプチダーゼ、セリンプロテアーゼの一種である。塩基性アミノ酸であるリジン、アルギニンのカルボキシル基側のペプチド結合を加水分解する働きを持つ。トリプシノーゲンとして分泌され、エンテロキナーゼにより、aトリプシンやbトリプシンになる。

121203_001121203_002

自験例(膵実質)。左:H&E染色、右:トリプシン染色


用途:病理診断学的には、膵腺房分化マーカーとして利用できる。

膵芽腫や膵・唾液腺・肝の腺房細胞癌、膵の充実偽乳頭状腫瘍・混合型腺房膵管癌・混合型腺房内分泌膵管癌・腺房嚢胞腺癌、肺癌(腺癌>扁平上皮癌、小細胞癌、カルチノイド)や膵分化を伴う胃癌・結腸癌等で陽性となることが報告されている。
表1 膵腫瘍におけるトリプシン染色

腫瘍

症例数

トリプシン

3+

2+

1+

-

充実偽乳頭状腫瘍

19

0

0

4

15

膵内分泌腫瘍

20

1

0

4

15

腺房細胞癌

6

2

1

1

2

膵芽腫

1

0

1

0

0

出典:Notohara K, et al. Solid-pseudopapillary tumor of the pancreas. Immunohistochemical localization of neuroendocrine markers and CD10. Am J Surg Pathol 2000;24:1361-71.
表2 膵腺房細胞癌と混合型腺房神経内分泌癌の免疫染色

免疫染色

腺房細胞癌

混合型腺房内分泌癌

クロモグラニンA

0/49

12/12  (100%)

シナプトフィジン

0/49

12/12  (100%)

トリプシン

46/48  (96%)

11/12  (92%)

COOH端BCL10

40/47  (85%)

11/12  (92%)

CEL

29/32  (91%)

8/9  (89%)

アミラーゼ

2/25  (8%)

1/8  (12%)

リパーゼ

9/30  (30%)

1/9  (11%)

p53

6/28  (21%)

4/9  (44%)

CK19

29/34  (85%)

8/9  (89%)

CK7

25/28  (89%)

2/9  (22%)

β-カテニン

      細胞膜

24/25  (96%)

5/8  (62%)

      核

1/25 (4%)

3/8  (37%)

PDX1

21/24  (87%)

8/8  (100%)

出典:La Rosa S, et al. Clinicopathologic study of 62 acinar cell carcinomas of the pancreas. Insights into the morphology and immunophenotype and search for prognostic markers. Am J Surg Pathol 2012;36:1782-95.

 

混合型腺房膵管癌

(自験例。混合型腺房膵管癌におけるトリプシン染色。)

 

 

執筆日:2012/12/6

執筆者:神戸大学医学部附属病院病理診断科 酒井康裕、柳田絵美衣、今川奈央子

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