免疫組織データベース~いむーの



CA19-9

2012年12月18日

Mouse monoclonal antibody

クローン:121LSE

メーカー:Roche (760-2609)

希釈倍率:Ready-to-use

抗原賦活化:処理なし

推奨陽性コントロール:

染色パターン:細胞膜

(上記は神戸大病理部での条件(Ventana BenchMarkXT)。抗体は必ずしも全てのメーカーを比較して選択しているわけではありませんので、必ずしも“推奨メーカー”という意味ではありません。)

 

CA19-9は血液型抗原の一種であるルイスAにシアル酸が付加した糖鎖抗原(シアリルLea抗原、シアリルラクトN-フコペンタオースIIの糖鎖上の抗原決定基)で、Lea抗原陽性の成人及び胎児では、膵管、胆管、胆嚢上皮、胃腸上皮の一部の細胞膜に局在している。血清中には分子量5000万以上の巨大なシアロムチンとしてLeaの血液型抗原など多くの糖鎖とともに存在する。本来、膵管、胆管を通り、消化管に排泄されているが、膵、胆管系および消化管などの癌で大量に作られ、血清中に増加する。消化器系の癌細胞に高頻度に発現して、血管内皮細胞のE-セレクチンと結合して、血行転移を促進させるとされる。

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(正常膵組織)

 

用途:

胃、腸および膵の腺癌を含む消化管腫瘍の大部分で陽性となる。膀胱尿路上皮癌、子宮内膜腺癌、甲状腺乳頭癌、胆嚢癌、肺腫瘍(腺癌、扁平上皮癌、小細胞癌)などでも陽性となる。特異性が低く、原発巣推定には役立たない。CA19-9染色をすることで病理診断上得られる情報は少なく、必要性は低いように思われる。

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(自験例(尿路上皮癌)。左:H&E染色、右:CA19-9染色)

 

(注)血清CA19-9値が高値で、その原因となりうる病変が臨床的にそこしかなければ、病変においてCA19-9染色陽性となるかもしれないが、逆に、病変でCA19-9染色陽性であっても、それがすなわち血清CA19-9値高値ではない。CA19-9染色はあくまで定性検査である。

 

 

執筆日:2012/12/18

執筆者:神戸大学医学部附属病院病理診断科 酒井康裕、柳田絵美衣、今川奈央子

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