Uroplakin II

Mouse monoclonal antibody

メーカー：ニチレイ (438121)

クローン：BC21

希釈倍率：1:2

抗原賦活化：ER2, 10分

推奨陽性コントロール：尿路上皮

染色パターン：細胞膜，細胞質

（上記は神戸大病理部での条件（Leica BOND-MAX^TM）。抗体は必ずしも全てのメーカーを比較して選択しているわけではありませんので、必ずしも“推奨メーカー”という意味ではありません。）

ウロプラキンIIは分子量約15kDaの膜糖蛋白で，ウロプラキンIa，Ib，IIIとともに尿路系上皮を形成する移行上皮の被覆細胞の形成に関与し，被覆細胞の透過性，バリアー機能を高めている．正常ではヒト腎盂，尿管，尿道，膀胱などの移行上皮の細胞膜と細胞質に強い染色性が見られる．ウロプラキンIIのmRNAは膀胱癌組織や原発性・転移性膀胱癌患者の末梢血で発現していることが報告されている．

（腎盂尿路上皮（自験例）．左：H&E染色，右：UroplakinII染色．被蓋細胞に陽性となっている．）

用途：

尿路上皮癌の細胞膜と細胞質に陽性となり，前立腺癌や腎癌等で陰性とされていることから，原発不明癌，転移癌の由来検索で役立つかもしれない．

但し，現時点では尿路上皮癌に対するUroplakinIIIやGATA3，p40との比較，組み合わせによる有用性の検討報告はあるが，原発不明癌，転移癌の由来検索でどの位役立つかについては十分検討されているとは言い難い．

文献：

1. Tian W, et al. Utility of uroplakin II expression as a marker of urothelial caracinoma. Hum Pathol 2015;46:58-64.

2. Li W, et al. Uroplakin II is a more sensitive immunohistochemical marker than uroplakin III in urothelial carcinoma and its variants. Am J Clin Pathol 2014;142:864-71.

3. Hoang LL, et al. Uroplakin II (UPII), GATA3, and p40 are highly sensitive markers for the differential diagnosis of invasive urothelial carcinoma. Appl Immunohistochem Mol Morphol 2015 (Epub)

4. Hoang LL, et al. A newly developed uroplakin II antibody with increased sensitivity in urothelial carcinoma of the bladder. Arch Pathol Lab Med 2014;138:943-49.

執筆日：2015年2月5日

執筆者：神戸大学医学部附属病院病理診断科　酒井康裕，柳田絵美衣，今川奈央子