HER2検査ガイド乳癌編改定
2015年2月16日
日本病理学会のホームページに掲載されております.
http://pathology.or.jp/news/whats/HER2-150213.html
乳がんHER2検査病理部会よりHER2検査ガイドが改訂されました(HER2検査ガイド乳癌編[第四版]).
従来の判定基準に比べ、変更の要点は、以下の通りです。
・新たに乳癌と診断された全患者について、HER2検査の実施を推奨する。
・組織標本の作成において、組織の固定時間は6時間以上72時間以内を推奨する。
・IHC法の3+を、強い完全な細胞膜の陽性染色がある癌細胞が、10%を超えて存在する場合とする。
・従来IHC法で陰性とされていた≦10%の腫瘍細胞に強い完全な全周性の膜染色が認められるものをIHC2+とする。
・ISH法の陽性基準を、HER2シグナル総数/CEP17シグナル総数比が2倍を超えるもの、および2倍未満でもHER2遺伝子コピー数が6コピー以上あるものとする。
HER2シグナル総数/CEP17シグナル総数比が2倍未満かつ、HER2遺伝子コピー数が4~6未満をequivocal、4未満を陰性とする。
・IHC法、ISH法いずれの検査も技術的問題で実施できない、または、陽性、equivocalまたは陰性か判定できない場合、判定不能とする。
執筆日:2015/02/16
執筆者:神戸大学医学部附属病院病理診断科 酒井康裕