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NOTCH1 intracellular domain (N1ICD)

2021年2月22日

抗体名: Cleaved Notch1 (Val1744) Rabbit mAb
クローン名: D3B8
メーカー: Cell Signaling
希釈倍率:1:25
推奨コントロール:既知のT-LBLでもよいが、上皮や血管内皮、マントル帯の一部のリンパ球なども陽性となるので扁桃など通常の組織でもかまわない

NOTCH receptorには4種あり、そのうちNOTCH1は t(7;9)(q34;q34.3)を有するT-LBLから見出されたものである。

通常のリンパ腫の診断で用いられることは少ないが、胸腺のT-LBLと胸腺腫の鑑別に有用と報告されている。

胸腺腫の一部はリンパ球の浸潤によって上皮細胞がマスクされ、リンパ腫と類似した形態を示すことがある。TdTがT-LBLの診断によく用いられるが、胸腺腫のリンパ球はTリンパ芽球であり、これもTdT陽性である。リンパ腫でも上皮を巻き込み、CKにて陽性細胞が混在することがある。

NOTCH1は胸腺腫では上皮や血管内皮に陽性をみるのみで、リンパ球は陰性である。一方で、T-LBLはリンパ腫細胞の核にびまん性に陽性となる。下記文献の検討では、それぞれ20例強の検討であるが、感度、特異度とも100%であった。

Armin G, Jegalian 1, Juraj Bodo, Eric D Hsi. NOTCH1 intracellular domain immunohistochemistry as a diagnostic tool to distinguish T-lymphoblastic lymphoma from thymoma. Am J Surg Pathol. 2015 Apr;39(4):565-72

(2021.02.22 伊藤智雄)

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