免疫組織データベース~いむーの



Integrin β4

2021年2月26日

抗体名:Anti-Integrin beta 4 antibody
clone: Rabbit monoclonal EPR17517
メーカー:Abcam
希釈倍率: 1:300
推奨陽性コントロール:sausage blockなど

integrin familyに属し、特異的に integrin α6 subunitと結合して α6β4 heterodimerを形成する。様々な上皮のhemidesmosomeの形成に関与するが、毛細血管、動脈、静脈の内皮に発現することが分かっている。


Anti-Integrin beta 4 antibody を用いた免疫染色では、毛細血管、動脈、静脈内皮、リンパ管内皮に陽性であり、また、神経周囲の線維芽細胞やシュワン細胞にも陽性となる。ルーチンの脈管侵襲、神経周囲浸潤評価への有用性が提唱されている。

Integrin β4はCD34, D2-40と異なり、間質の他の細胞に陽性にならない。また、上皮細胞にも陽性であるため、腫瘍細胞も見つけやすい利点があるという。

特に乳癌micropapillary carcinomaにて、CD34, D2-40では腫瘍細胞を取り囲む間質細胞が陽性となり、脈管侵襲と誤判断される可能性がある。integrin
β4ではこの問題は回避可能である。。

ただし、リンパ管と血管の区別ができない、筋上皮にも陽性などlimitationがある。

文献:Integrin beta4 Is an Effective and Efficient Marker in Synchronously Highlighting Lymphatic and Blood Vascular Invasion, and Perineural Aggression in Malignancy. Li J, Jiang Y, Chen C, Tan W, Li P, Chen G, Peng Q, Yin W. Am J Surg Pathol. 2020 May;44(5):681-690.

  (2020.2.26 伊藤智雄)

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