cadherin 17 （CDH17）
2023年8月2日
■腎臓metanephric adenomaの感度・特異度ともに高いマーカーとして報告された。
同腫瘍は小型均一な上皮細胞が腺房様、管腔状、乳頭状の構造を示す。鑑別となる疾患として乳頭型腎細胞癌、epithelial-predominant Wilm’s tumorなどが挙げられる。
CDH17はmetanephric adenomaの81%に陽性を示す（細胞膜）。一方、鑑別となる乳頭型腎細胞癌、epithelial-predominant Wilm’s tumorは100%陰性であったという。
これまで、同腫瘍はWT-1陽性、CD57陽性、AMACR陰性であることがこれまで鑑別に利用されてきたが、特異度の点でcadherin 17が上回った。
■gastrointestinal adenocarcinomaの原発推測マーカーとして （2023.8.2追記）
本抗体がCDXよりもgastrointestinal adenocarcinomaに感度がより高いという報告が何本かでている。80-90%に陽性で、大腸癌はほとんど陽性となる。特異度には問題があり、胆膵の腺癌も比較的頻度高く陽性となる。
Arch Pathol Lab Med. 2017 Jan;141(1):144-150
Am J Clin Pathol. 2012 Aug;138(2):211-22.
執筆日：2013/03/28, 2023.8.1(追記)
執筆者：神戸大学医学部附属病院病理診断科 伊藤智雄
