免疫組織データベース~いむーの



FDC

2006年2月8日

メーカー:DAKO

クローン:CNA 42

希釈倍率:1:25

前処置:Pressure cooker

推奨陽性コントロール:扁桃、虫垂、反応性リンパ節など

染色パターン:細胞膜±細胞質

(上記は北大病理部の条件。抗体は必ずしも全てのメーカーを比較して選択しているわけではありませんので、必ずしも”推奨メーカー”という意味ではありません。)

 

反応性:胚中心内の樹状細胞。

用途その他:胚中心内の樹状細胞は、その表面に抗原抗体コンプレックスの形で抗原を提示し、それをもとにT細胞(CD4陽性、CD45RO陽性)のコントロールによりB細胞の選択がなされる。すなわち、胚中心ではB細胞は無数にsomatic hypermutationを行い、抗原への親和性の高い免疫グロブリン産生細胞のみが選択され、樹状細胞がその一役を担っている。 病変としては、濾胞樹状細胞由来の腫瘍の診断に有用であるが、他のCD21などの検索を併せて行う必要がある。Angioimmunoblastic T-cell lymphomaのときにも濾胞樹状細胞が増生することが知られており、診断の助けになる所見である。興味深いことに、このリンパ腫でみられるclear cellsの大半はCD4陽性、CD45RO陽性であり、且つ胚中心内のB細胞で発現しているCD10陽性の症例がある。濾胞樹状細胞はこのclear cellsを抱くように分布していることが多く、両者の間に有機的なつながり(細胞培養におけるfeeder layerのような)関係を示唆している。

image8

反応性腫大を示すリンパ瀘胞での染色例。樹状細胞が染色されている。 (写真北大)

 

 

執筆日:2006/2/8

執筆者:岡山大学病理病態学教室 吉野 正

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