Helicobacter pylori (Dako)
(Hp)
抗体名: Helicobacter pylori 抗ヘリコバクタ-・ピロリ(H. pylori)・ウサギポリクローナル抗体
クローン: n/a(ポリクローナル)
メーカー: Dako
抗原賦活化: 0.002% proteinase K, 37℃, 10min
推奨陽性コントロール: H.pylori感染胃粘膜
陽性パターン: 細菌菌体(H. pyloriおよびグラム陽性菌の一部を含む)
(上記は藤田保健衛生大学医学部第一病理学での条件。抗体は必ずしも全てのメーカーを比較して選択しているわけではありませんので、必ずしも”推奨メーカー”という意味ではありません。)
反応性、性状および用途:
・H. pyloriを含む細菌(おもにグラム陰性菌)の同定。ホルマリン固定パラフィン切片で安定した反応性を示す。
・大腸菌(Escherichia coli)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)など、H. pylori以外のグラム陰性菌との間で、共通抗原に対する幅広い交差反応を示す。胃潰瘍底部にしばしばみられるグラム陽性桿菌(乳酸桿菌群; Lactobacillus spp.か?)にも陽性となる。
・H. pyloriの同定に必要十分な特異性は有していない。同社の抗大腸菌・ウサギポリクローナル抗体などと同様、抗汎細菌抗体としての性質を理解して使用する必要がある。
(顕微鏡写真)
1. 胃切除標本(手術例)の粘膜表面にみられたH. pylori。明瞭な陽性所見が認められる。
2. 1. の拡大像。菌体は球菌状形態(coccoid form)へ移行している。 ※組織標本は、Chemiconの抗H. pylori・マウスモノクローナル抗体の項で示したものと同一である。
執筆日: 2006/3/10
執筆者: 藤田保健衛生大学医学部第一病理学 下村龍一