JC virus
2006年3月10日
抗体名: JC virus 抗JCウイルス(JCV)・ウサギポリクローナル抗体
クローン: n/a(ポリクローナル)
メーカー: Dako
希釈倍率: x300(一次抗体一晩反応、アミノ酸ポリマー法(ニチレイ シンプルステインPO使用))
抗原賦活化: 圧力鍋による加熱処理(10mM クエン酸緩衝液 pH7.0使用)
推奨陽性コントロール: JCV感染病巣
陽性パターン: JCV感染細胞の核
(上記は藤田保健衛生大学医学部第一病理学での条件。抗体は必ずしも全てのメーカーを比較して選択しているわけではありませんので、必ずしも”推奨メーカー”という意味ではありません)
反応性、性状および用途:
・JCV感染細胞の同定。ホルマリン固定パラフィン切片で良好な反応性を示す。
・JCVはポリオーマウイルス(Polyomavirus)属に分類され、進行性多巣性白質脳症(progressive multifocal leukoencephalopathy; PML)の原因ウイルスである。
・PML症例の大脳組織では、JCV感染神経膠細胞(乏突起神経膠細胞、および星状膠細胞の一部)の核に陽性となる。
・同じポリオーマウイルス属のBKウイルス感染細胞には、明らかな陽性所見は示さないようである(自験例)。
1. PML剖検例の大脳皮質脱髄巣周囲組織(HE染色)。
2. 1. の拡大像。大型化し、好塩基性の増強した核を示す乏突起神経膠細胞が多数みられる(HE染色)。
3. 大型化した乏突起神経膠細胞の核に一致して陽性所見がみられる。
執筆日: 2006/3/10
執筆者: 藤田保健衛生大学医学部第一病理学 下村龍一