免疫組織データベース~いむーの



NeuN

2013年7月25日

Mouse monoclonal antibody

クローン:A60

メーカー:Millipore

希釈倍率:1:100

抗原賦活化:ER1、10分

推奨陽性コントロール:

染色パターン:特に核、細胞質も

(上記は神戸大病理部での条件(Leica BOND-MAXTM。)抗体は必ずしも全てのメーカーを比較して選択しているわけではありませんので、必ずしも“推奨メーカー”という意味ではありません。)

 

NeuNは神経細胞の核蛋白抗原だが、回虫(Caenorhabditis elegans)の性決定遺伝子のホモログであるFox-3と相関する。ウェスタンブロッティングでは、A60モノクローナル抗体は46kDaと48kDaの二つのバンドに結合する。NeuN染色は、神経細胞への分化マーカーとして用いられ、中枢神経系の広範なneuron、神経節の細胞の核(細胞質にも弱く反応する)に陽性となるが、小脳のプルキンエ細胞やゴルジ細胞、嗅球僧帽細胞、神経網膜の光受容体には陰性である。

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(自験例(大脳皮質)。左上:H&E染色、左下・右下:NeuN染色。神経細胞の核、細胞質に陽性である。)

 

用途:

病理診断学上、成熟神経細胞マーカーとして利用できるが、絶対的に必要な染色とまでは言い難い。成熟神経細胞の分布の確認や未分化の神経幹細胞と分化した神経細胞の区別、中枢神経細胞腫、神経節細胞腫、Glioneuronal tumor with neuropil-like islandsなどの腫瘍での利用が想定される。

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(自験例(中枢性神経細胞腫)。左:H&E染色、右:NeuN染色。)

 

謝辞:神戸大学大学院医学研究科地域社会医学・健康科学講座地域連携病理学分野特命教授 廣瀬隆則先生の御指導を賜った。

 

 

執筆日:2013/07/25

執筆者:神戸大学医学部附属病院病理診断科 酒井康裕、柳田絵美衣、今川奈央子

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