免疫組織データベース~いむーの



α-internexin

2012年11月13日

推奨陽性コントロール:oligodendroglioma

染色パターン:細胞質

 

1p/19q欠失は乏突起膠腫の5~8割,乏突起星細胞腫の3~5割に見出されるが,星細胞系腫瘍では例外的であり,乏突起細胞腫系に特徴的な染色体異常と考えられている.また,1p/19q欠失はanaplastic oligodendrogliomaの予後良好因子となっている.近年,1p/19q欠失を伴った神経膠腫でα-internexinが過剰発現していることが示された. α-internexinは,ニューロン形成に関わる神経系中間径フィラメントで,ニューロン形成や神経細胞死に関連しているものと考えられている. 1p/19q欠失のある神経膠腫(乏突起膠腫・乏突起性細胞腫)では,免疫染色でのα-internexinが27例中26例で陽性であったのに対し,欠失のない神経膠腫では,95例中10例のみ陽性であった.以上より,免疫染色でのα-internexin発現が,1p/19q欠失と関連していることが示され,乏突起細胞腫系のマーカーとして有用と考えられる.また,免疫染色結果もanaplastic oligodendrogliomaの予後良好因子となることも示されている. 今まで,1p/19q欠失の検索にFISH法やLOH解析,CGH法が用いられてきたが,免疫染色法でも欠失を証明しうるようになったことは意義深い.

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oligodendrigliomaとα-internexinの染色結果

 

参考文献 Ducray F, Criniere E, Idbaih A, Mokhtari K, Marie Y, Paris S, Navarro S, Laigle-Donadey F, Dehais C, Thillet J, Hoang-Xuan K, Delattre JY, Sanson M. Neurology. 2009 Jan 13;72(2):156-61.

 

 

執筆日:2012/11/13

執筆者:神戸大学病院病理部 上原 慶一郎

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