BCG

抗体名: Mycobacterium bovis (bacillus calmette-guerin, BCG) 抗マイコバクテリウム・ボビス(BCG)・ウサギポリクローナル抗体

クローン: n/a（ポリクローナル）

メーカー: Dako

希釈倍率: x1,600（一次抗体一晩反応、間接法（HRP標識抗ウサギ抗体使用）） x4,000（一次抗体一晩反応、アミノ酸ポリマー法（ニチレイ　シンプルステインPO使用））

抗原賦活化: なし（未処理）

推奨陽性コントロール: 活動性結核病巣

陽性パターン: 陽性微生物（抗酸菌ほか）の菌体、およびその分解物

(上記は藤田保健衛生大学医学部第一病理学での条件。抗体は必ずしも全てのメーカーを比較して選択しているわけではありませんので、必ずしも”推奨メーカー”という意味ではありません。)

反応性、性状および用途:

・ウシ型結核菌(Mycobacterium bovis)、ヒト型結核菌(Mycobacterium tuberculosis)をはじめとする抗酸菌全般の検出。菌体が破壊されていても、抗原物質が残存していれば陽性となる。

・抗酸菌以外の細菌、真菌にも広く交差反応を示す。したがって、本抗体で陽性となっても、抗酸菌感染症とは確定できない。

・ホルマリン固定パラフィン切片で良好な反応性を示す。増感法として、必ずしもポリマー法は必要ない。間接法で十分な感度が得られる。

（顕微鏡写真）

1. 剖検肺における乾酪壊死巣。多数の抗酸菌集塊がみられる（Ziehl-Neelsen染色、Fite法）。

2. 抗酸菌菌体に一致した陽性所見がみられる。

※組織標本は、抗結核菌・マウスモノクローナル抗体の項で提示したものと同一である。

執筆日: 2006/3/10

執筆者: 藤田保健衛生大学医学部第一病理学　下村龍一