bcl-10
クローン: Zymed monoclonal (Ventana) clone 151を希釈倍率1:100で使用
抗原賦活化法:抗原賦活化ののち、3%H2O2で内因性peroxidaseブロック。一次抗体は 4C overnight、二次抗体はEnvision+を使用。
(上記は岡山大での条件。抗体は必ずしも全てのメーカーを比較して選択しているわけではありませんので、必ずしも”推奨メーカー”という意味ではありません。)
1. リンパ腫での応用
BCL10は、MALTリンパ腫に特異性の高いt(11;18)(q21;q21): API2/MALT1融合遺伝子およびMALT1遺伝子との関係が深い遺伝子産物である。免疫染色は、下記の方法で施行している。注意点としては、染色の強度が高くなく、陽性陰性の判定が難しいことがあることである。参考文献に示すように、評価に関しては複数の評価者間でもよく一致するが、その際、陽性コントロール、陰性コントロールを的確に取る必要がある。
【染色方法】
抗原賦活化ののち、3%H2O2で内因性peroxidaseブロック 抗体はZymedのclone 151を希釈倍率1:100で使用。 一次抗体は 4C overnight、二次抗体はEnvision+を使用。
【文献】
2.膵臓腺房細胞癌acinar cell carcinomaの診断 (神戸大伊藤追記)
膵acinar cell carcinomaのマーカーとしての利用が可能。
BCL10(Anti-BCL10 mouse monoclonal antibody (Clone 331.3; Santa Cruz, San Francisco, CA, USA) )は正常膵腺房細胞に陽性であり、腫瘍ではacinar cell carcinomaの82%に陽性、2/4例のadenosquamous cell carcinomaに陽性であったほかは、他のsubtypeにはほとんど陽性とならなかったと報告されている。
執筆日:2005/12/28
執筆者:岡山大学病理病態学教室 吉野 正