悪性黒色腫免疫染色におけるDABとメラニンの分染
2005年12月15日
悪性黒色腫の免疫組織化学染色時にHMB-45, S100 protein, melanA等の一次抗体を用い反応させDAB発色した際、メラニン色素がDABの色調に類似し、陽性反応と紛らわしいことがある。発色基質にアルカリフォスファターゼ等を用いたり、メラニン色素脱色後に免疫組織化学を用いる手法もあるが、抗原賦活化に熱を加える染色に対しては組織ダメージが強すぎる。
通常免疫組織化学染色時の後染色(核染色)はヘマトキシリンを使用しているが、この後染色をギムザ液に変えることにより、メラニン色素が異染性(緑色)を示し、DABの褐色と明瞭に区別することができる。また、後染色にPAS反応を用いることによっても褐色の染め分けが可能である。
染色手順 |
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HMB45免疫染色。カウンターはギムザ。
緑色調のメラニンと、腫瘍細胞のHMB45の褐色が明瞭に区別可能。
執筆日:2005/12/15
執筆者:北海道大学病院病理部 丸川活司