CD43
抗体:Leica, MT1-L, mouse monoclonal
希釈倍率:×40
(上記は一例に過ぎません。抗体は必ずしも全てのメーカーを比較して選択しているわけではありませんので、必ずしも”推奨メーカー”という意味ではありません。)
推奨陽性コントロール:扁桃、虫垂など
染色パターン: 細胞膜±Golgi
反応性:正常ではT細胞、組織球、骨髄球系、形質細胞、巨核球、EBV-infected B-cells
(John KC Chan. Tumors in lymphoretiucular system in Flercher et al. Diagnostic histopathology of tumors p1106)
用途: 上記の様に特異性は低く、T細胞性マーカーとして使用するべきではない。 主な用途は、B細胞におけるaberrant expressionの検索である。 正常のB細胞はCD43陰性であるが、(特に小型細胞からなる)B細胞性リンパ腫は異常なCD43の発現を時に示す。 特にマントル細胞リンパ腫mantle cell lymphomaでは有名であり、その他MALT lymphomaなどでもみられる。Follicular lymphomaでは稀。 ただし、時にその評価は難しく、十分に慎重にならなければならない。 評価にあたってはCD3を必ず同時に染色し、比較することによりその評価を行う。すなわち、CD3の陽性細胞より明らかにCD43陽性細胞が多い場合はB細胞がaberrant expressionを来している可能性がある。また、abrrant expressionは正規のT細胞での陽性より強度が弱いことも多い。
ただし、形質細胞の混在、骨髄球系細胞の混在、granulocytic sarcoma、組織球系あるいは単球系の腫瘍などの可能性は常に考えておくべきである。
また、terminal ileumにおいては正常でもB細胞によるCD43のcoexpressionがみられると報告された(Applied Immunohistochemistry & Molecular Morphology. 13(2):138-141, June 2005)
執筆日:2005/06/16 7/4 内容追加 → 2024/10/09追記
執筆者:神戸大学病院病理部病理診断科