腎蛍光抗体法の手技
2006年3月6日
腎生検診断には免疫組織化学的検索が必須である.例えば,糸球体腎炎で最も頻度の高いIgA腎症は,糸球体にIgAの沈着を証明しなければ診断できない疾患である. 腎生検の免疫組織化学は凍結切片を用いた蛍光抗体法で染色するのが最も一般的である.FITC標識抗体を用いた直接法が,感度が最もよく簡便である.
1.凍結切片の作成
(1) 未固定検体にOCTコンパウンドを加え,液体窒素で急速に凍結させる.
(2) クリオスタットで2?3μmに薄切し無蛍光スライドガラスにのせる.
(3) ドライヤーで15分冷風乾燥させる.
(4) バイブレーターを使用してPBSで5分2回洗浄する.
2.一次抗体の反応
(1) キムワイプで一枚ずつ切片の周囲の余分なPBSをふき取り,湿潤箱に入れて至適倍率に希釈した一次抗体を滴下する.
(2) 孵卵器の中で37℃,1時間反応させる.
(3) バイブレーターを使用してPBSで5分3回洗浄する.
3.水溶性封入剤で封入
執筆日:2006/3/6
執筆者: KKR札幌医療センター/幌南病院病理科 深澤雄一郎