Synaptophysin
抗体:Fitzgerald Industries International, Inc., 10R-S124a, Synaptophysin antibody, Mouse monoclonal G1D4
希釈倍率:×1
(上記は一例に過ぎません。抗体は必ずしも全てのメーカーを比較して選択しているわけではありませんので、必ずしも”推奨メーカー”という意味ではありません。)
染色パターン:細胞質顆粒状
推奨陽性コントロール:膵島、カルチノイドなど
Synaptophysinはpresynaptic vesicleのintegral-membrane glycoproteinであり、ニューロン、神経内分泌腫瘍に局在する。
神経および神経内分泌マーカーとしてschromogranin A, CD56, 近年はINSM1とともに重要な神経内分泌マーカーである。
染色強度はchromogranin Aと異なり、神経内分泌顆粒の量に左右されず、細胞質の乏しい小細胞癌でも陽性となりやすい(chromogranin Aでは陰性ないし一部のみの陽性となることがある)。
神経内分泌性格を証明するためには通常パネルでの検討が行われる。伝統的にはchromogranin A, synaptophysin, CD56のうち、「2種類以上が陽性」が求められる。近年はCD56に代わりINSM1が台頭してきているが、まだ完全なコンセンサスには至っていない。
執筆日:2005/06/03、2024/10/10加筆
執筆者:神戸大学病院病理部病理診断科 伊藤 智雄