CD3(CD3ε)
クローン: CD3 (各社あり)
推奨陽性コントロール:扁桃、リンパ節、虫垂など
染色パターン:細胞質。ゴルジ野や核周囲に強い陽性像を示す場合がある。まれに細胞膜。
反応性:正常ないし腫瘍性のT細胞
用途: 最も信頼できるT細胞性マーカーの一つ。CD3分子のcytoplasmic ε chainに対する抗体。通常の診断用途で用いられている”CD3″は通常CD3εを指す。悪性リンパ腫診断にはルーチンで用いられる。UCHL-1は比較的特異度が低く、T細胞マーカーとしての用途ではCD3の方が優れる。 T細胞性リンパ腫の診断には最も基本的な抗体である。正常であれば瀘胞間領域に多数、胚中心にも比較的多数存在。
T細胞リンパ腫とNK細胞リンパ腫の診断に用いられる。
CD3は細胞質に染色され、影絵の様に核の形状が明瞭化される。これにより、T細胞性リンパ腫の際の核の大小不同、切れ込みなどの異型をよく判断することができる。
執筆日:2005’/05/23 2024.10.07改訂
執筆者:神戸大学病院病理部病理診断科 伊藤 智雄