AFP
(Alpha fetoprotein)
メーカー: Sigma-Aldrich, rabbit polyclonal, 203A-16
希釈倍率:×200
(神戸大使用抗体。条件は一例です。抗体は必ずしも全てのメーカーを比較して選択しているわけではありませんので、必ずしも”推奨メーカー”という意味ではありません。)
推奨陽性コントロール: HCCなど
染色パターン:細胞質
胎児肝、胎児腸管、胎児神経上皮など。成熟した組織には陰性。
腫瘍では、肝細胞癌hepatocellular carcinoma(40%程度), 肝芽腫hepatoblastoma(70%程度)、胎児性癌embryonal carcinoma(30%程度)、卵黄嚢腫瘍Yolk sac tumor、未熟奇形腫immature teratomaのneuroepithelial component、一部のSertoli-Leydig cell tumor(Gagnon S et.al.)、女性生殖器clear cell carcinomaの一部(17%程度 Zirker et.al.)、hepatoid adenocarcinoma, AFP産生胃癌AFP-producing adenocarcinoma、胎児消化管類似癌adenocarcinoma with enteroblastic differentiationなどに陽性。
過去は肝細胞癌と胆管細胞癌の鑑別などにも用いられていたが、HEP-PAR1、さらに近年Arginase 1が登場した後では、感度の面で見劣りし、この目的での使用機会は減っている。肝細胞癌での陽性率は50%弱にとどまる。
執筆日:2005/1/26, 2015/1/14小修正, 2023.08.1および2024/10/7小修正
執筆者:神戸大学病院病理部・病理診断科 伊藤 智雄