CD7
抗体:Leica, NCL-L-CD7-580
希釈倍率:×100
(上記は一例に過ぎません。抗体は必ずしも全てのメーカーを比較して選択しているわけではありませんので、必ずしも”推奨メーカー”という意味ではありません。)
CD7は、40kdのpan-Tリンパ球膜抗原で、immunoglobulin superfamilyに属する。 CD7は、ほとんどのCD8陽性Tリンパ球やCD4陽性Tリンパ球で発現している。
用途:末梢性T細胞性リンパ腫診断の補助
通常の末梢性Tリンパ球では、CD7が発現しているが、末梢性T細胞リンパ腫ではこの発現が失われることがある。とくに、Mycosis fungoides(菌状息肉症)では、CD7の発現が失われることが多い。 炎症性の皮膚疾患でも、CD7陰性のTリンパ球の浸潤が報告されており、CD7の発現が減っているからといって必ずしも、T細胞リンパ腫と言うことはできない。
Murphyらは、22例のMycosis fungoidesと56例の炎症性皮膚疾患を検討し、炎症性の皮膚疾患でもCD7の発現の減少はみられるが、ほとんどのCD3陽性Tリンパ球がCD7の発現を失っている場合は、Mycosis fungoidesの特徴的な所見と言えると述べている。
Mycosis fungoides扁平浸潤期
1. Am J Dermatopathol. 2002 Feb;24(1):6-16. Low CD7 expression in benign and malignant cutaneous lymphocytic infiltrates: experience with an antibody reactive with paraffin-embedded tissue. Murphy M, Fullen D, Carlson JA.
執筆日:2006/3/14
執筆者:札幌皮膚病理研究所 福本隆也 木村鉄宣