CDK4
抗体:Cell Signaling, CDK4 (D9G3E) Rabbit mAb #12790
希釈倍率:×200
(上記は一例に過ぎません。抗体は必ずしも全てのメーカーを比較して選択しているわけではありませんので、必ずしも”推奨メーカー”という意味ではありません。)
染色染色パターン:核
染色性および用途 :
■Atypical lipomatous tumor/well-differentiated liposarcoma(ALT-WDLPS)およびdedifferentiated liposarcoma(DDLPS)は時に診断が難しく、前者は良性の脂肪と、後者は未分化肉腫との鑑別が問題となる。 両者に置いて、chromosome 12q13-15に存在するMDM2とCDK4 genesはこの両者でamplificationされていることが分かっている。 免疫染色でもこの両者expressionは両腫瘍に感度、特異性が高く、診断に利用できる。Binhらによる 559 の軟部腫瘍(44 ALT-WDLPS, 61 DDLPS, 49 benign adipose tumors, and 405 non-ALT-WDLPS/DDLPS sarcomas)の検討では
MDM2 | CDK4 | |
ALT-WDLPS/DDLPS | 97% | 92% |
benign adipose tumors | 5% | 2% |
non-ALT-WDLSP/DDLPS sarcomas | 19% | 6% |
と、感度、特異度とも優れた結果であった。 また、同時に検討されたgene amplificationともよく相関していた。
mdm2 と組み合わせて用いられるが、解釈が難しいことも多く、理想的にはmdm2 FISHを施行すべきである。
注:myxoid/round cell liposarcomaはALT-WDLPS、DDLPSとは生物的に異なるentityであり、基本的に陰性であることに注意。上記の検討ではMDM2, CDK4とも4.2%のみ陽性。
■近年、pleomorphic liposarcomaという新たな概念が知られるようになった。dedifferentiated liposarcomaにように高分化成分を背景に持たず、多形性が強い脂肪肉腫で、cdk4(-), mdm2(-), rb lossが特徴である。
執筆日:2005.11.1、2024/10/10加筆