Claudin 1
Rabbit polyclonal antibody
メーカー:invitrogen (51-9000)
希釈倍率:1:100
抗原賦活化:ER2, 10分
推奨陽性コントロール:神経周膜、扁平上皮
染色パターン:細胞膜
(上記は神戸大病理部での条件(Leica BOND-MAXTM)。抗体は必ずしも全てのメーカーを比較して選択しているわけではありませんので、必ずしも“推奨メーカー”という意味ではありません。)
Claudin 1は細胞間のタイト結合に存在する膜貫通型蛋白の一員で、カルシウム依存性細胞接着活性を通じた細胞間隙の閉塞が主な役割であるが、C型肝炎ウイルスが肝細胞内に侵入するため共受容体としての役割も果たす。他のClaudinとホモポリマーあるいはヘテロポリマーを形成しうる。肝、腎、心、脳、膵、脾、肺、精巣、前立腺、膀胱、卵管、皮膚などに多くの組織に発現している。Claudin-1はfreeze fracture法で、膜内粒子から成るタイト結合のストランドがP面に見られるP型のタイト結合を形成しているのが観察される。Claudin 1をエンコードしている遺伝子の変異により、常染色体劣性遺伝を示すneonatal ichthyosis-sclerosing cholangitis (NISCH) syndrome(尋常性魚鱗癬、頭皮連珠毛、瘢痕性脱毛症、硬化性胆管炎)を生じる。
用途:
病理診断上、Claudin 1染色は、EMAやGlut-1と共に、神経周膜、神経周膜分化マーカーとして利用できる。
神経周膜腫あるいはそれとのhybrid腫瘍の診断に利用できるが、以下の文献によると、神経周膜腫におけるClaudin 1染色の陽性率は29%(22/76)で、弱~中等度陽性のものが少なくない。
文献:Hornick JL, et al. Soft tissue perineurioma. Clinicopathologic analysis of 81 cases including those with atypical histologic features. Am J Surg Pathol 2005;29:845-58.
執筆日:2013/12/12
執筆者:神戸大学医学部附属病院病理診断科 酒井康裕
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