Collagen Type IV
抗体:abcam, Rabbit polyclonal, anti-typeⅣcollagen, ab6586
希釈倍率:×500
染色パターン:基底膜に一致して線状に
推奨陽性コントロール:扁平上皮基底膜など
コラーゲンの一種で、主に基底膜に存在する。
病理組織学では主に上皮性腫瘍vs浸潤性腫瘍の判断の補助として用いられる。すなわち、上皮基底膜を腫瘍が破っているかで判断するものであるが、その判断は本抗体を用いた免疫組織化学でも容易とは言えない。
グロームス腫瘍Glomus tumorでは、腫瘍細胞周囲に網目状の基底膜がみられ、これがType IV collagen, laminin免疫組織学にて陽性となる(PAS反応でも陽性となる)。
甲状腺において、c-cell hyperplasiaは線状の基底膜に囲まれるが、microscopic medullary carcinomaではこれが乱れ、網目状や個細胞を取り囲む様なパターンとなる。特にMEN type 2aで有効。
Human Pathology, Volume 26, Issue 12, December 1995, Pages 1308-1312
皮膚病理では表皮下水疱を形成する疾患の診断にも用いられる。
執筆日:2024/10/16
執筆者:神戸大学病院病理部病理診断科 伊藤 智雄