Cytomegalovirus
(CMV)
抗体名: Cytomegalovirus 抗サイトメガロウイルス(cytomegalovirus; CMV) ・マウスモノクローナル抗体
クローン: CCH2 + DDG9(カクテル)
メーカー: Dako
希釈倍率: x50(一次抗体一晩反応、アミノ酸ポリマー法(ニチレイ シンプルステインPO使用))
抗原賦活化: 圧力鍋による加熱処理(1mM EDTA pH8.0使用)
推奨陽性コントロール: CMV感染組織
陽性パターン: CMV感染細胞の核
(上記は藤田保健衛生大学医学部第一病理学での条件。抗体は必ずしも全てのメーカーを比較して選択しているわけではありませんので、必ずしも”推奨メーカー”という意味ではありません。)
反応性、性状および用途:
・CMV感染細胞の同定。ホルマリン固定パラフィン切片で安定した陽性反応が得られる。
・本抗体は、ヒト単純ヘルペスウイルス(HSV)感染細胞や、水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)感染細胞には反応しない。
・CMV感染細胞は、フクロウの目(Owl’s eye)とよばれる特徴的な核内封入体を示す。ときに細胞質封入体も観察される(ヒトヘルペスウイルス属(HHV)で、細胞内封入体を形成しうるのはCMVのみである)。
・封入体は、各種臓器の上皮細胞、血管内皮細胞などに観察される。
・感染細胞が多く、HE標本で明瞭な核内封入体が多数みられる場合は、免疫組織化学は必須ではない。免疫組織化学が有用なのは、感染細胞が少なく、HE標本では封入体がはっきりしない場合である。
SLE症例(ステロイド治療中)の胃潰瘍底にみられたCMV感染病巣。再生上皮細胞あるいは血管内皮細胞に、明瞭な核内封入体がみられる。
核内封入体に一致した陽性所見がみられる。
執筆日: 2006/3/10
執筆者: 藤田保健衛生大学医学部第一病理学 下村龍一