EBNA2
抗体:Abcam, Anti-EBNA2 抗体 [PE2] (ab90543)
染色パターン:核
推奨陽性コントロール:EBV陽性DLBCLなどで EBNA2陽性のもの
EBVの検出に使用されるが、現在はその目的ではEBER-ISHを行うのが最も感度が良い。
染色パターン: 核
性質、機能:転写活性化因子で、ウイルス遺伝子のみならず、宿主細胞の増殖に関与する分子の転写も促進する。
染色性および用途
EBウイルスに感染した細胞の一部に陽性。EBウイルスを検出する抗体としては他にEBERに対するin situ hybridization(EBER-ISH)とLMP1がある。EBER-ISHが最も感度がよく、LMP1は中間で、EBNA2が最も悪い。しかし、陽性であれば宿主の高度の免疫不全を示唆するLatency typeⅢの状態を示し(表参照)、病態の把握に役立つ。
PALや免疫不全に伴うリンパ腫で陽性となるが、Hodgkinリンパ腫やextranodal NK/T cell lymphomaなどではEBVに感染していても陰性であるので注意。
上記表から、EBNA2はIII型の潜伏感染で発現がみられ、免疫不全型の感染形式と考えられる。
執筆日:2024/10/16
執筆者:神戸大学病院病理部病理診断科 伊藤 智雄